賃貸契約前に知っておきたい、一人暮らしの初期費用と引っ越し料金の相場
最終更新日:2022年11月14日

引っ越しを検討するにあたり、これから始まる新しい生活にワクワクする半面、「いったいいくらかかるのだろう?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
引っ越しをする際に、かかる初期費用の相場は家賃の4~6カ月分といわれています。首都圏の場合、引っ越しをされた方の賃料平均値が約7万円程(※)なので、28~42万円程かかっていることになります。
(※参考:国土交通省 住宅市場動向調査報告書より)
この費用の内訳は賃貸物件の契約に関わる費用ですが、新しい生活を始めるにあたって家具や家電をそろえるための費用や、引っ越しの料金も必要になります。こういった費用を全て合わせると、初期費用の総額がさらに高くなってしまいます。
ただし、家賃の4~6カ月というのはあくまでも目安の金額ですので、物件の条件次第ではそれよりも高くなることもありますし、逆に安く抑えることも可能です。
初期費用について詳しく知ることで、なるべく費用を抑える方法を知ることにつながります。これから賃貸契約にかかる初期費用について詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
賃貸契約時にかかる初期費用の内訳は?
賃貸契約時にかかる費用の内訳は以下のようになります。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
敷金 | 賃料の1~2カ月分 |
礼金 | 賃料の1~2カ月分 |
仲介手数料 | 賃料の0.5~1カ月分 |
前家賃 | 賃料の1カ月分 |
日割り家賃 | 月途中の入居のみ (賃料÷入居月の日数×入居日以降の残日数) |
その他 | 賃貸保証料:賃料の0.5カ月分 鍵交換費用:約2万円 火災保険料:約2万円 消臭・消毒料:約2万円 など |
敷金
敷金は、部屋を借りるときに大家さんに預けておく保証金のことです。
賃料の不払いや未払いの補填、あるいは入居中に故意や不注意で発生した傷や汚れの修繕費として使われます。
普通に生活をしていれば多少の傷や劣化などは起きてしまうものなので、入居者に修繕の負担義務はありません。
しかし、わざと壁に穴をあけてしまったり、うっかり重いものを落として床に大きな傷がついてしまったりといった場合は、修繕義務が発生してしまいます。
そのため、通常は退去時に敷金は全額返還されますが、退去時に部屋の原状復帰(クリーニング)費用と相殺されることがあります。
首都圏の平均値は賃料の1カ月分になりますが、ペットがいる場合はさらに2~3カ月分の上乗せが発生する場合がありますので注意しましょう。
礼金
礼金とは、大家さんにお礼の意味を込めて支払うお金のことです。
敷金とは異なり、法律で定められているものではなく、支払後は戻ってきません。
首都圏の平均値は賃料の1か月分になりますが、早く入居してもらうために礼金なしの物件も増えてきています。
仲介手数料
仲介手数料は不動産会社に支払うお金になります。
通常、入居者は不動産会社を通して大家さんの所有する物件を紹介してもらいます。部屋を仲介して探してもらうため、その手数料として不動産会社にお金を支払うことになります。
法律では賃料の0.5~1カ月分までを請求可能と定められており、通常は1か月分の請求となります。
前家賃
入居前に大家さんに前払いで支払う家賃になります。
例えば、契約が3月で4月から入居する場合、4月分を入居前に支払います。
日割り家賃
入居日、または退去日が月の途中だった場合は、実際の日数分のみを請求するために日割りで清算をします。日割り家賃は下記のように計算されます。
- 日割り家賃の計算方法
- 家賃÷当月の日数×入居日以降の残日数(または退去日までの日数)
賃貸保証料
大家さん(不動産会社)が家賃の未払いや不払いを防ぐため、契約している保証会社を利用する場合があります。入居者が保証会社との契約に支払うお金で、賃料の0.5カ月分が発生します。
連帯保証人がいる場合には、不要となる場合があります。
鍵交換費用
鍵を新しいものに交換するための費用で、利用するかは任意です。
通常の鍵だと1.5万円前後、オートロックマンションの場合は2~3万円程が目安です。
鍵を交換しない場合、以前住んでいた方と同じ鍵を利用することになるため、防犯のために交換をおすすめします。
火災保険料
火災や水回りのトラブルに対する損害保険です。
通常、賃貸契約と同時に加入することになり、金額の相場は2万円前後です。
賃貸の契約期間と同じ期間の契約で、賃貸の契約更新の際に保険の更新が必要となります。
消臭・消毒料
入居前に部屋を消臭・消毒する作業費用です。虫や雑菌駆除などの効果があり、相場は2万円程です。
あくまで消臭・消毒を目的とした作業となり、汚れなどがきれいになるわけではないので注意が必要です。
また、不動産会社によっては、専門業者に依頼せずにバルサンや消臭剤をまくだけの場合もあるので、利用する場合は確認しましょう。
引っ越し前の退去時にかかる費用
引っ越しをする前に、今住んでいる部屋をキレイにしたり、引っ越しで持って行かないものを処分する必要があります。
引っ越した後に新しい家具や家電を買いなおす場合は、今あるものを粗大ごみとして処分しないといけませんし、普段からキレイに掃除をしていない場合は水回りやキッチンなどの水垢や油汚れも掃除しておかないといけません。
粗大ごみは、ベッドなどの大きなものを処分するには自治体にもよりますが、1個処分するのに大体2~3千円程かかります。粗大ごみは自分で外に出さないといけませんし、連絡から回収までに時間もかかるので、キチンと計画して準備をしておきましょう。
自治体で処分するのに間に合わない場合は、それ以外の業者に依頼する必要があり、高額になる場合があります。例えば、東京都内で軽トラック1台分の粗大ごみを処分するなら大体1~2万円、2トントラック1台分なら2~3万円程かかってしまいます。
また、粗大ごみ以外に何袋も大量にゴミが発生する場合は、何日かに分けてゴミ捨て場に出すか、一括で業者に有料で処分してもらう必要があります。
余計な出費につながりますので、リストを作成してしっかり準備をしておくことをおすすめします。
部屋の掃除に関してはクリーニングが入るとはいえ、原状回復義務があるので自分でキレイにしなくてはいけません。自分でキレイにできない場合は、後日クリーニング時の修繕費として敷金から相殺されてしまうので、注意が必要です。
引っ越しにかかる費用
引っ越しにかかる費用は、荷物の量や移動距離、時期によって大きく変わってきます。
実際にいくらかかるのかは、キチンと見積りを複数社からとることをおすすめします。
同じ時期でも会社によって数万円の差が出ることもありますので、比較することが重要です。
一括見積りサービスを利用するとよいでしょう。
初期費用を安くするための7つのコツ
1.敷金・礼金なしの物件を探す
賃貸物件のなかには、敷金や礼金が0円のものがあります。
礼金は単純に大家さんへの謝礼金という名目なので、なくても問題ないと思われますが、敷金が0円の場合は少し注意が必要です。
家賃数カ月分の出費を抑えられるため、かなり魅力的ではありますが、他の名目で費用を請求される場合があります。例えば、家賃が他と比べて割高になっていたり、清掃費やクリーニング代など別の形で後日請求されるケースもあります。
また、契約書上で違約金の設定など、通常と異なる場合があるので退去時にトラブルにつながる可能性があるので注意が必要です。
2.仲介手数料半額や無料の物件を探す
仲介手数料は通常1カ月分ですが、半額や無料の物件も存在します。
物件ごとに設定されているケースと、不動産会社が一律でおこなっているケースがあります。
仲介手数料を安く抑えたい場合は、物件を探して不動産会社に連絡するのではなく、最初から手数料が安い不動産会社を探して、そこに条件の合う部屋を探してもらうとよいでしょう。
3.フリーレントの物件を探す
賃貸物件のなかには1カ月賃料無料(フリーレント)のものがあります。フリーレントの物件を契約することで、前家賃(1カ月分)の費用を抑えることが可能です。
4.分割払いが可能か確認する
通常は契約時に一括払いとなりますが、不動産会社によっては初期費用の分割払いをおこなっている場合があります。急な引っ越しで一括での支払いが難しい場合は、分割払いを取り入れている不動産会社に最初から部屋探しを依頼するのもありです。
5.単身引っ越しプランを利用する
荷物の量が少ない場合は、普通に引っ越し業者を選ぶよりも、単身プランで探したほうが圧倒的に安くなる可能性が高いです。いくつか引っ越しの見積りをしたけど高いという場合は、単身引っ越しプランを利用することで、数万円安く抑えることができるかもしれません。
6.閑散期を狙って引っ越す
不動産会社や引っ越し業者にも繁忙期が存在します。 例えば、新生活が始まる4月や異動の辞令が出る秋などは需要が高まるため、その前の時期は不動産会社も引っ越し業者も忙しくなります。時期でいうと2~3月、8~9月頃は特に動きが活発になります。 このような時期では、引っ越し業者の見積りも高くなりますし、物件もどんどん契約が決まるので値引き交渉がしにくいです。 それ以外の時期に引っ越しが可能であれば、なるべく時期をずらすことをおすすめします。
7.家具や家電のリースやレンタル、サブスクサービスを利用する
家具や家電を新しくそろえる必要がある場合、こだわりがなければリースやレンタル、サブスクなどのサービスを利用するのもありです。
一通りをそろえるのに一括だと数万円かかりますが、月々の支払いで数千円になるので、初期費用をかなり抑えられます。 ただし、契約終了後は返却が必要になるので注意が必要です。